第4回:新型コロナウイルス感染症患者の65%に心筋障害がみとめられた
今回は国立国際医療研究センターからの報告です(Circulation Journal 2021.85:944-947)。
新型コロナウイルス感染から2ケ月以上経過した患者209名(平均年齢45才)のうち、135名(65%)に血液中の高感度トロポニンT値の上昇がみとめられました。
トロポニンとは筋肉を構成するタンパク質のひとつであり、心筋障害を反映するマーカーとして急性心筋梗塞や狭心症、心不全などの診断に用いられています。
血液中のトロポニンTが上昇していた209人は、いずれも無症状で心臓超音波検査による心機能評価で大きな問題はありませんでしたが、トロポニンTが上昇していたということは少なからず心筋障害が生じていたことを示唆しています。
無症状例や軽症例であってもコロナ後遺症として心筋障害が生じ、将来的には心筋炎や狭心症、心筋梗塞、心不全などにつながる可能性もあるため、注意が必要でしょう。
コロナ後遺症を確実に回避するためには感染しないように心がけるしかありませんね。
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