腎盂・尿管がん|東京八重洲クリニック(関節リウマチ、慢性疼痛、慢性疲労、泌尿器科の専門クリニック)

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診療科目 - 腎盂・尿管がん

尿は腎臓で作られ尿管を通って膀胱に運ばれた後、尿道を通って体外へ排出されます(下図参照)。この尿の通り道を「尿路」といい、このうち腎臓の中の尿が通る空間を「腎盂(じんう)」といいます。腎盂と尿管、膀胱の壁は内側から粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜という4つの層からなっています(下図参照)が、腎盂・尿管がんの約90%は粘膜の表面にある尿路上皮細胞から発生する「尿路上皮がん」です。尿路上皮がんのうち“がん”ができた場所が腎盂なら「腎盂がん」、尿管なら「尿管がん」となります。
腎盂・尿管がんの発生頻度は10万人あたり0.1人程度といわれており比較的まれな疾患です。発見される契機としては目で見て尿に血が混ざっていることがわかる「肉眼的血尿」が最も多いです。
腎盂・尿管がんの最大の特徴は尿路内のいろいろな場所に多発しやすいということです。腎盂と尿管、膀胱に同時にがんができることもまれではありません。また、腎盂・尿管の壁は非常に薄いため、がんが浸潤して周囲に広がりやすく比較的早期にリンパ節や肺、肝臓、骨などに転移して進行がんの状態で発見されることもあります。
腎盂・尿管がんの原因は現段階ではっきりと解明されていませんが「喫煙」は重要な危険因子です。
腎盂・尿管がんの治療方法は早期がんの場合は手術での切除が可能ですが、進行すると手術では完全にがんを取り除くことができないため、抗がん剤治療などが必要となります。

《腎盂と尿管》
腎盂と尿管図解
《腎盂・尿管の壁(断面)》
腎盂・尿管の壁(断面)図解

腎盂がん・尿管がんの症状

初発症状のほとんどが目で見える「肉眼的血尿」で、はじめは痛みなどの症状がなく血尿だけ出るのが特徴です。血の塊が腎盂や尿管に詰まることによって腹痛や腰の痛みといった尿管結石に似た症状を自覚することもあります。また、腫瘍が徐々に大きくなって腎盂や尿管につまってしまうと尿が腎盂内に溜まり腎臓がはれた状態(水腎症と言います)になります。健康診断や人間ドックの超音波検査やCTスキャンなどで偶然水腎症を指摘され、がんが発見されることもあります。

腎盂がん・尿管がんの診断

血尿があった場合、出血の原因を明らかにするために膀胱鏡検査と尿細胞診検査を行います。腎機能に問題がなければ排泄性腎盂造影(IVPまたはDIP)あるいはCTスキャンを行います。これらの検査によって上部尿路に異常がみとめられた場合、逆行性腎盂造影(RP)を行って診断の確定を行います。それでもがんの診断が確定できない場合は尿管鏡で直接尿管内や腎盂内を観察して腫瘍の生検を行うこともあります。

尿細胞診

尿の中の細胞を顕微鏡で観察して尿中に“がん細胞”があるかどうかを調べます。結果は5段階評価で行い、1~2の場合は陰性(がん細胞なし)、3は偽陽性(良悪性の判定困難)、4~5の場合は陽性(がん細胞が存在する可能性が高い)となります。
尿細胞診によってすべての膀胱がんが診断できるわけではありませんが、悪性度の高いがん(顔つきの悪いがん)の診断には有用です。

腹部超音波検査

X線を使わず痛みも伴わないので健康診断や人間ドックなどの初期検査でよく行われます。がんがある程度大きくならないとがん自体をみつけることは難しいですが、水腎症の診断には優れているため、水腎症からがんの診断につながります。

排泄性腎盂造影(IVPまたはDIP)

造影剤を注射した後にX線撮影を行います。尿の流れや尿路の形態に異常があるかどうかが分かり、がんの有無を判断することができます。
小さながんの診断は困難ですが、ある程度大きながんの診断には有用です
最近ではこの検査の代わりにCTスキャンによる検査(CTウログラフィー)を行うこともあります。

CTスキャン(CTウログラフィー)

CTスキャンはX線を使って身体の断面を撮影する検査です。
造影剤の注射を同時に行うことで尿の流れや尿路の形態に異常があるかどうかが分かり、がんの有無を判断することができます。腎臓以外の臓器(リンパ節、肺、肝臓など)への転移の有無も確認することができます。

逆行性腎盂造影(RP)

腎盂・尿管がんの診断のために最も重要な検査です。
膀胱鏡で尿管口をみながら腎盂・尿管内に細いカテーテルを挿入し、このカテーテルから細胞を採取して尿細胞診検査でがん細胞の有無を確認します。さらにこのカテーテルから造影剤を注入してX線撮影を行い、腎盂や尿管の形状も観察します。排泄性腎盂造影(IVPまたはDIP)ではよく見えなかった部位やその他の異常を明らかにすることができます。

尿管鏡検査

逆行性腎盂造影(RP)でもがんの診断ができなかった場合、尿管鏡検査を行うことがあります。尿管鏡という非常に細い内視鏡で腎盂内や尿管内を直接観察することができます。がんが疑われる部分から組織を採取(生検)することも可能です。採取した組織を顕微鏡で調べることでがんの診断を確定します。ただ、この検査は麻酔なしで行うことができませんので数日間の入院が必要となります。

腎盂・尿管がんの病期(ステージ)

腎盂・尿管がんの大部分は腎盂・尿管の内面をおおっている尿路上皮粘膜から発生する尿路上皮がんです。できたばかりの早期がんは粘膜内にとどまっていますが、進行するとともに粘膜下層、筋層、外膜、腎盂・尿管外へと浸潤していきます。さらに進行するとリンパ節、肺、肝などへ遠隔転移をきたします。
このがんの進行の程度を病期(ステージ)といいます。

腎盂・尿管壁内へのがんの深達度(T分類)、リンパ節転移の有無(N分類)、遠隔転移の有無(M分類)をもとに病期分類を行ないます。

T分類 腎盂・尿管壁内へのがんの深達度

  • Ta:乳頭状非浸潤がん(粘膜にとどまり浸潤のないがん)
  • Tis:上皮内がん(CIS)
  • T1:粘膜上皮下結合織に浸潤するがん
  • T2:筋層に浸潤するがん
  • T3:筋層を越えて腎盂や尿管周囲の脂肪組織あるいは腎実質におよんで浸潤するがん
  • T4:隣接臓器への浸潤あるいは腎を越えて腎周囲脂肪組織へ浸潤するがん

N分類 リンパ節転移の有無とその程度

  • N0:所属リンパ節転移なし
  • N1:2cm以下の1個の転移
  • N2:2cmから5cmの1個の転移または5cm以下の多発性転移
  • N3:5cmを越える転移

M分類 遠隔転移の有無

  • M0:転移なし
  • M1:転移あり

N1以上およびM1は「転移がん」と言います。

腎盂がん・尿管がんの治療

がんの進行の程度によって治療方法が異なりますが、転移のない早期がんに対しては「外科的手術」で切除することが基本となります。外科的手術による切除が難しい場合や、多数の転移があり手術が適していないと考えられた場合などは「抗がん剤治療」や「放射線治療」を行います。
腎盂・尿管がんの外科的手術の方法は、がんのある側の腎臓、尿管すべてに加え、膀胱の一部分を切除する「腎尿管摘除術+膀胱部分切除術」です。これは腎盂、尿管、膀胱が尿路上皮細胞で覆われているため、尿管が残ってしまった場合、将来残った尿管にがんが発生してくる可能性があるためです。しかし、腎機能が低下しているため、腎機能を温存する必要がある場合などに限っては、がんが単発で細胞の悪性度が低ければ「尿管部分切除術」や「内視鏡手術」を行うこともあります。手術方法の選択は患者さまの体格、性別、年齢、腫瘍の位置や大きさなどによって総合的に判断されます。
当クリニックはロボット手術において日本トップクラスである「東京国際大堀病院」と提携しております。東京国際大堀病院では、腎盂・尿管がんに対して「腹腔鏡下腎尿管摘除術」を積極的に行っており、がんの根治と同時に安全かつ身体への負担が少ない手術を目指しております。
治療方法の詳細についてお聞きしたいことがあれば遠慮なくご相談ください。

腎盂・尿管がんは早期発見・早期治療を行うことができれば完治が目指せる病気です。ほかの腎、尿路のがんと同様に初発症状は血尿です。おしっこをしていて「尿の色がおかしいな」と思ったらお気軽にご相談ください。

《手術の創(左側摘出の場合)》
手術の創
《摘出範囲(左側の場合)》
摘出範囲

腎臓にできるがんとして「腎がん(腎細胞がん)」がありますが、これは腎の実質(尿細管)からできるがんであり腎盂がんとは性質が異なるため別のグループとして扱われます。

  
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