子宮腺筋症

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子宮腺筋症とは

子宮腺筋症は、本来子宮の内側に位置する子宮内膜組織が子宮筋の中にできてしまう病気です。よく似た病気である子宮内膜症は子宮内膜組織が子宮以外の場所にできるものですが、子宮腺筋症は子宮内膜組織が子宮筋の中に発生して増殖します。
子宮腺筋症の組織は、女性ホルモンの影響を受け、正常な子宮内膜と同じように子宮筋層内で増殖と剥離を繰り返すため、病気が進行すると子宮筋層が厚くなり子宮が大きくなります。子宮が大きくなる病気として子宮筋腫があり、子宮腺筋症との鑑別が難しい場合があります。

子宮腺筋症とは

子宮腺筋症の症状について

子宮腺筋症の症状は子宮内膜症と同様に強い月経痛が生じたり、子宮筋腫のように月経量が増えたり、それに伴って貧血になったりします。
下腹部痛や腰痛を引き起こすこともありますので、生活の質(QOL:Quality of Life)を妨げる病気のひとつといえます。

子宮腺筋症の検査について

まず問診を行います。そして内診で子宮、卵巣の可動性や痛みの有無をチェックします。
その後、超音波検査で子宮や卵巣の腫大の有無を調べます。腫大している場合にはMRIでの詳細な評価が必要になります。
また、血液検査で腫瘍マーカー(CA125やCA19-9)のチェックも行ないます。

子宮腺筋症の治療について

子宮腺筋症の治療方法には薬物療法と手術療法があります。
治療方法を考える際は、症状や重症度だけでなく、年齢や妊娠を希望するかなどを総合的に判断し、それぞれの患者さまにとって最適な治療方法を選択します。
症状の軽い場合は薬物療法によって月経痛や過多月経などを軽減させますが、症状が重い場合は子宮摘出手術を考慮することもあります。
子宮腺筋症は子宮筋腫や子宮内膜症と同じく女性ホルモンのバランスの影響を受けて悪化しますが、閉経後には病変が縮小し、症状も消失することがほとんどです。

薬物療法

鎮痛剤

月経痛などの痛みを軽減するために使用されます。痛みの原因となるプロスタグランジンは子宮内膜で作られます。鎮痛剤にはこのプロスタグランジンを少なくする働きがあります。早めに服用するのが効果的です。

鉄剤

貧血を改善するために使用されます。子宮腺筋症や子宮筋腫のなかでも特に子宮の内側に出来た病変は月経量が多くなり貧血をきたすことがあります。

EP配合剤(エストロゲン・黄体ホルモン配合剤)

排卵と子宮内膜の増殖を抑え、月経痛や月経時の出血を軽減させます。

黄体ホルモン製剤

女性ホルモンの分泌を抑え、痛みの症状を抑えます。

GnRHアゴニスト

女性ホルモン(エストロゲン)を低下させることで、閉経時に近いホルモン状態にして、病変を縮小しさまざまな症状を軽減します。

ピル

低用量ピルは、自分の体から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン) の周期的な分泌を抑えることにより、子宮内膜の増殖を抑えます。その結果子宮内膜から産生されるプロスタグランジンの産生を低下させ、生理痛改善効果と子宮腺筋症の悪化予防効果が期待できます。

手術療法

ホルモン治療で閉経の年齢まで持ちこたえることができれば閉経後は治療が必要なくなりますが、症状が重く、著しくQOLが低下して日常生活に支障がある場合には子宮摘出術を考慮します。

子宮腺筋症は、出産経験がある女性の10人に1人が持っている女性ホルモン依存性の疼痛疾患ですが、最近では30歳代の若い世代や出産経験のない女性にも増加傾向が見られます。約30%は無症状ですが、子宮内膜症や子宮筋腫と同様、根治手術以外では閉経まで完治せず、月経困難症、過多月経、貧血といった女性のQOL低下の原因となります。

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婦人科の主な疾患と治療法