卵巣腫瘍(卵巣がん)

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卵巣腫瘍(卵巣がん)とは

卵巣腫瘍(卵巣がん)の種類

卵巣は子宮の両側に1つずつある楕円形の臓器です。
通常では2~3cmぐらいの大きさです。卵巣の重量は20歳代で最大になり、閉経期になると徐々に小さくなって最大重量の半分以下になります。ここに発生した腫瘍が卵巣腫瘍であり、大きいものでは30cmを超えることもあります。
卵巣腫瘍には様々な種類があり、その発生起源から表層上皮性・間質性腫瘍、性索間質性腫瘍、胚細胞腫瘍などに大別され、それぞれに良性腫瘍、悪性腫瘍、両方の中間的な性質を持つ境界悪性腫瘍の3つがあります。
のう胞に膿や粘液を含んだ袋状の病変は多くが良性ですが、充実性の部分は悪性である可能性が高くなります。卵巣腫瘍の約90%が良性で約10%が悪性といわれています。

卵巣がんの性質による分類と広がり

卵巣がんで最も多いのは、卵巣の表層をおおっている細胞から発生した上皮性のがんです。
この上皮性のがんは4つの組織型に分類され、それぞれ異なった性質を持っています。

上皮性卵巣がんの組織型と特徴

漿液性がん(約38%)
進行して見つかることが多い、抗がん剤が効き易い
明細胞がん(約23%)
早期に見つかることが多い、抗がん剤が効きにくい
類内膜がん(約17%)
早期に見つかることが多い、抗がん剤が効き易い
粘液性がん(約10%)
早期に見つかることが多い、抗がん剤が効きにくい

病期によるがんの分類

卵巣がんは、手術前の臨床検査と生検や手術時の視診・触診・病理学検査によって評価したがんの広がり具合により、Ⅰ期からⅣ期までの4つの段階に分類されます。

Ⅰ期
がんが卵巣だけにとどまっている
Ⅱ期
がんが骨盤内の子宮や卵管、直腸・膀胱の腹膜などに広がっている
Ⅲ期
がんがリンパ節に転移しているか、骨盤腔をこえて、上腹部の腹膜、体網、小腸などに転移している
Ⅳ期
がんが肝臓や肺などに転移している
卵巣腫瘍(卵巣がん)の病期Ⅰ期 卵巣腫瘍(卵巣がん)の病期II期 卵巣腫瘍(卵巣がん)の病期Ⅲ期 卵巣腫瘍(卵巣がん)の病期Ⅳ期

卵巣腫瘍(卵巣がん)の原因について

卵巣腫瘍(卵巣がん)はいろいろな要因の積み重ねで発生します。
妊娠・出産の経験がない、初経が早かったり・閉経が遅いなどで排卵回数が多い、子宮内膜症の方は卵巣がんを発症しやすいと考えられています。
また、親・姉妹・従妹に乳がんや卵巣がんの方がいる場合は、遺伝的な要因のため卵巣がんになりやすいといわれています。

卵巣腫瘍(卵巣がん)の症状について

はじめは自覚症状がほとんどないため、進行した状態でみつかることも少なくありません。
通常はおなかが張る、最近太ってきてウエストがきつくなった、トイレが近い、腹痛、食欲低下、月経不順などの症状が現れることがあります。

卵巣腫瘍(卵巣がん)の検査と診断について

卵巣腫瘍の診断では、まず問診が行われ、内診(触診)とその際に行われる経腟超音波検査で病変の有無を確認します。超音波検査を行えば、良性か悪性かはある程度の予測ができます。必要に応じて、MRI、CT、腫瘍マーカー(CA-125)などの検査を追加して詳しく調べていきます。
しかし、良性の卵巣腫瘍との鑑別が難しい場合は、手術で切除した組織を顕微鏡で調べる病理検査を行い、良性か悪性かを確定します。

卵巣腫瘍(卵巣がん)の治療について

卵巣腫瘍の治療方法は良性か、悪性か、境界悪性かで異なりますが、いずれの場合も手術が基本となります。
手術療法は術前の諸検査によって良性腫瘍と診断された場合は、腫瘍だけを摘出して卵巣実質を温存する術式が選択されます。
境界悪性腫瘍の場合、開腹して子宮、両側の卵巣・卵管、大網を切除することが基本となります。
悪性腫瘍の場合は、それに加えてリンパ節の摘出や腫瘍の拡がりによっては腸管や腹膜などの合併切除が必要となることもあります。
ただし、境界悪性腫瘍や悪性腫瘍であっても、その種類や拡がり方によっては健常側の卵巣・卵管や子宮を温存することが可能な場合がありますので、以後の妊娠・出産を希望している方は担当医とよくご相談下さい。
悪性腫瘍の場合は、その種類と拡がり方によって術後抗がん剤投与の必要性やどの抗がん剤を使用するかが決まってきます。 抗がん剤治療を行うことで悪性腫瘍の予後は以前より飛躍的に改善されましたが、腫瘍の進展が早いため、できるだけ早期に治療を開始する必要があります。

初発の卵巣がんを予防することは困難ですが、卵巣がんの10-15%は遺伝的な要因が関わっていることが分かっています。
BRCA1またはBRCA2という遺伝子に変化があると、卵巣がんや乳がんの発症の危険性が高くなります。
卵巣がんはがん検診が有効ではないので、発症する前に両方の卵巣と卵管を摘出する手術を行うこともあります。
これを「リスク低減卵管卵巣摘出術」といいます。良性のチョコレート嚢胞も再発しやすい病気ですが、ホルモン療法によって子宮内膜症の再発リスクを抑えることができます。 治療を途中で中断せず、継続することが重要になります。また、良性の卵巣腫瘍は放置しているとごくまれに悪性化することがあります。 経過観察をする際は、必ず主治医の指示に従って定期的な検査を欠かさないようにしてください。

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